報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

三章 法脈ほうみゃく濁乱じょくらん

地涌オリジナル風ロゴ

第119号

発行日:1991年4月29日
発行者:日蓮正宗自由通信同盟
創刊日:1991年1月1日

真実を報ずる『地涌』を告訴しろと主張する住職がいる
法廷で一番困るのは嘘をついている日顕上人その人である

全国宗務支院長会議(四月十九日)において、またも本紙『地涌』が話題にのぼった。本紙について宗門は無視しようとするのだが、どうしても話に出てしまうのだ。

東京第一布教区の光久諦顯が質問をした。

「『地涌』はいちおう、怪文書ということにいたしましても、『中外日報』にも『地涌』が載り、本にしてまで売っております。『地涌』について渉外部あたりが徹底究明する(必要がある)。怪文書だと見なしてもなにも信用する必要ないとしても、はっきり出所だけは知っておきたい。

その究明することが、こちらのために不利という意味において当局がそれをなさらないのか。毎日、毎日、あれだけのことを書いて、あることもないこともでしょうけれでも、また、かなりうがったことも書いてあります。そういったことについて、我々、不安を感じます」(趣意)

これについて藤本総監が答えた。

「あのー、『地涌』ですけれども、えー、まあ、あることないこと、まことにムチャクチャなことを書いて流しておりますけれども、ともかく出所不明、住所も電話もないところですのでですね、えー、どっかへこれ文句を言ってつけてもですね、私は知りませんよと、関係ありませんと言われればそれまでですのでですね。そらぁ、究明のしようがないんじゃないかと。ですからこういった怪文書は怪文書としてですね、見ていくほかはないんじゃないかと思いますね」

ここで数名の者が異口同音に、「書店で売られ公開されているんだから出版社に尋ねればよい」と発言する。場内は少し騒然となった。総監がたまらず、

「出版社に尋ねたって言いませんよ。そんなもん。どこからこれが出されているなんてことは、絶対に言いませんよ」

その後、秋元渉外部長が『地涌』についての法的な見解を述べた。

「いいですか、『地涌』の問題なんですけども、学会側から出ていることは犯人捜そうが捜すまいが、決まりきったことですので。もし本当の真犯人を捜すとするとですね、刑事告訴をしなきゃなんないですね。でもFAX一枚の紙ですから事件にならないんです。警察でとりあげてくれません。渉外部で法律的にキチッと調べましたので、それは確かなことです」

さらに秋元渉外部長は、『地涌』の送ってくる時刻にファックスの電話線を抜くという対処の仕方もあると言葉を添えた。

(筆者注 当方のファックスの通信記録ではそのような受信拒否者は全国にいないように見受けられる。それどころか『地涌からの通信』発売後、出版社に自分の寺のファックスの番号をわざわざ知らせてきた者が何名かいた。念のために断っておくが、我が日蓮正宗自由通信同盟は、僧侶と信徒により構成されている)

ここで再び光久東京第一支院長が、『中外日報』に『地涌』に書いてあったことがそのまま載ったことをあげ、さらに当局を追究する。これについて総監が、『中外日報』に抗議しても意味がないと回答。

ここで、参会者のあまりの追究に、秋元渉外部長がやや開き直り気味の発言をする。

「まっ、やるなら訴訟覚悟でやるかですね。全部、真実さらけ出して。その覚悟がなきゃできません」

この発言で会場に異常な緊張がみなぎった。真実をさらけ出して一番困るのは、ほかならぬ日顕上人である。昨年(平成二年)十二月二十五日の段や押木らとの密談の真実をぜひとも公表してもらいたいものだ。「C作戦」にかかわった者、立案の経過の真相も知りたいものである。

ここで支院長会議の流れがあらぬ方向に進みはじめたのを見て、日顕上人が場をつくろうように「御指南」。この「御指南」たるや言いたい放題であった。

『中外日報』については、「お金が動いている関係もあって、あーゆーふうに載っけているわけです」となにも根拠もないことを述べ、他宗の者が『中外日報』の記事を見てどう思おうと、他宗は邪法邪義だから、「意に介する必要は私はむしろないとは思うんです」などと述べた。

そして自分宛に来た『中外日報』は読まないで、「ぜーんぶ置いといちゃあ、まとめて燃しちゃうんだ」と自慢気に話し、「あえてね、相手にするってゆう必要もないとも思うしね。もうちょっと大きく考えたらどうですかなぁ、うん」。

自分の短慮と不始末により宗内の僧侶が悩んでいるのに、大物ぶっている場合ではない。他宗を邪宗というのは結構だが、その邪宗に笑われるような不徳の行状をなしているのは、日顕上人その人である。

その当事者が、「我々は平然とし毅然としてね、むしろ図太く、うん、蛙の面に水ってこういう言葉があるけど、本当にそれぐらいのつもりでね」などと話している。

日顕上人は僧宝であるから篤く敬え、あるいは「信伏随従」しろと宗門はいう。だが、このウソつきで恥知らずの男のどこを敬えというのだろうか。この男こそ日蓮大聖人の仏法の尊厳を最も穢している者なのだ。

それこそ一日も早く、本紙『地涌』編集部を刑事告訴してもらいたいものだ。日顕上人が刑事告訴人として、あるいは証人として耐えうる素材であるかどうかがわかるだろう。逆に日顕上人こそ、誣告罪や偽証罪の罪に問われるのではあるまいか。

法廷となれば、仲間うちで好き勝手なことを言っているようなわけにはいかない。十二月二十五日の御目通りの件をはじめ、「C作戦」の件、正本堂の解釈等、錐でもむように攻めたてられることになろう。法廷においては真実しか味方はないことを知るべきである。権威も通じなければ法衣も頼りにならない場なのだ。そうなったとき、日顕上人にいかほどの真実が味方するというのだろう。

三章 法脈濁乱 終

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