報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

二十四章 権力けんりょく欺罔ぎもう

地涌オリジナル風ロゴ

第791号

発行日:1994年9月27日
発行者:日蓮正宗自由通信同盟
創刊日:1991年1月1日

日顕ファミリーは饗宴を専らとしいかなる非道も許される
ファミリー以外の者はゴルフをしただけで首を飛ばされる

食道楽の道を突き進むと、行き着くところは中国料理、その中国料理の中でも広東料理が最高だと言われる。ひと口に中国料理と言っても食材、料理方法は多岐にわたり、その種類は何十万とも言われる。

日本人が“日出る国”の民を自負してみても、“医食同源”を標榜してあらゆるものを食材として目ざとく見つけ、人智を超えた料理方法を試み口に放り込む、あの中華思想の大人たちの足元にも及ばぬ。

その中国人ですら、一目も二目も置くのが広東料理。広東人は、「空を飛んでいるものは、飛行機以外なんでも食べ、地を走っているものは、机以外なんでも食べる」という。

熊掌(熊の手)、龍虎斗(蛇と猫)、三呼一叫(ネズミの赤ん坊)、脆皮乳猪(子豚の丸焼き)、狸唇(タヌキの唇)──これらは広東料理を代表する珍品である。

庶民にしてみれば、これほどまでの珍品ではなくとも、一生に一度でいいから超一流の広東料理で舌鼓のひとつでも打ってみたいと思うのが人情。

だが、バブルのはじけたこの日本にあって、東京・銀座の超一流広東料理店で、ごく当たり前のように美食を口にしているファミリーがいる。

よほどの資産家か、はたまた人には言えないあくどいことをしている御仁かはうかがいしれないが、坊主頭のえらく威張った一人があとの十人を引き連れてのお大尽ぶりである。

アッ、料理がコロコロとこぼれた。箸の主は見向きもしない。あの落ちたひと切れで、ルワンダ難民の何人が何日、救われることだろうか。

その難民を救うために、ブルーのベレー帽をかぶった家族持ちの自衛隊員が、酷暑の中で命懸けの“出兵”をしているのに、この超一流広東料理店でのファミリーの光景はどうであろう。

いま、この地球のどこかに飢えて苦しむ人がいること、この日本に失職して途方に暮れている人がいることなど露知らぬ顔の“貴き人々”の優雅な食事風景である。

もちろん、この“高貴”なファミリーが、日蓮正宗とやらの末寺住職の家族が、食事代、教育費、光熱費などにも事欠いているという“下々”の事情をご存じのはずはない。

そのような、つましい生活の現実を知っていたなら、どんなにおいしい広東料理でも喉を通らぬというもの。

いやいや、これは“下々”の者の常識で、いとやんごとなき方々は、そのようにお考えにならない。

父も貴く我も貴いが故に、“下々”の者が一生に一度も口にすることができないと思われる料理を日常的に食べることができるのであって、一生に一度も豪華な食事をすることのできない人々は、父も卑しく当人も卑しい故であるとお考えになっているのではあるまいか。

つまり“貴き人々”は、“憐憫の情”とか“流浪の旅”などとは、ほど遠い方々なのである……と、ここまで考えて何やら納得。ムニャ、ムニャ。

一番、威張っている坊主頭の男は、妙に着飾った女房を連れているから坊主ではあるまい。どういう職業の人であろうか。アレ!? よく見れば男はみな坊主頭ではないか、となればその筋の方々か。それにしてもよく食べるなーと見ていると、高価な食事を口に運ぶ人々の影がボンヤリと遠のき、おぼろげとなる。

「グ、グー」

おお! 夢を見ていた。わが腹の虫の音で目が覚めてしまった。広東料理について考えているうちに、おぞましい人々の夢を見てしまった。

腹の虫が収まらぬとは、このようなことであろうかと考えたところで、「トゥルル、トゥルル、トゥルル……」と、電話のベルが鳴った。日蓮正宗内のある良識派の僧侶からの情報が寄せられた。その情報は、以下のとおり。

九月二十一日(水)、東京・銀座の広東料理店「福臨門」で、日顕夫婦、早瀬義純夫婦と子供一人、藤本日潤夫婦、八木信瑩、阿部信彰の女房・信子、石井信量夫婦の十一人が食事をした。費用は〆て五十万円也。

まさに、日顕ファミリーそのものの饗宴がおこなわれたのである。

蓮成坊住職・石井信量は、義弟の妻となった女性の裸体をみずから馬乗りになって撮り、そのポラロイド写真を従業員に発見された一件で、犬畜生以下の男であることが宗内の評判となったが、失脚することもなく、いまだにファミリーの一員として日顕に列して豪華な食事をしているのである。

ファミリー以外の者は、ゴルフをしただけでこれまでの功績も空しく首を飛ばされるのに、ファミリーの一員であれば、どのような人非人のおこないも許されるのである。

日顕らファミリーは狂っており、一宗を根幹から亡ぼす者たちである。

家族友人葬のパイオニア報恩社