報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

二十七章 師弟してい倶生ぐしょう

単行本「『地涌』からの通信(27)」おわりに

河辺メモが「C作戦」の謀議が平成2年7月16日に
文京区西片の大石寺東京出張所で行なわれたことを暴露

日顕が平成二年七月に「C作戦」(創価学会分離作戦)をおこなおうと、十六日に文京区・西片の大石寺東京出張所で、十八日には所を移して静岡県の大石寺大書院で謀議をおこなった。この謀議の出席者は、日顕、総監・藤本日潤、参議・河辺慈篤、大石寺東京主任理事・八木信瑩、庶務部長・早瀬義寛、渉外部長・秋元広学、海外部主任(当時)・関快道。

この事実は、『創価新報』(平成六年一月一日付)がこの謀議の詳細を綴った「河辺メモ」を暴露したことによって裏づけられた。それでも日顕ら宗門中枢は、メモをした河辺の「主観」の相違であると、往生際の悪い言い逃れをしている。このような“虚構の弁明”を信ずる者などいない。

これによって、日顕ら宗門中枢は完全に浮いた存在になってしまった。「C作戦」は存在せず、存在するのは創価学会の謀略という日顕らの主張を真に受けてきた者は、「河辺メモ」という動かしがたい物的証拠を目の前にし、呆然と立ち尽くしているようだ。かたや反創価学会の意識でコリ固まった者は、日顕や河辺のドジぶりに舌打ちしている。「河辺メモ」の登場により、日顕宗内部はガタガタとなってしまった。

平成六年がはじまるにあたり、わが『地涌』はそのスローガンを、「破邪顕正の正義の言論をもって仏法破壊の日顕一派を追撃しよう」と改めたが、いまの宗門の内部情勢は、「追撃」の年のはじまりにふさわしいといえる。

本紙『地涌』が「C作戦」の存在を最初に報じたのが、平成三年一月十五日付の第15号であった。このとき、「C作戦」の骨子を発表し、日顕ら陰謀者の心肝を寒からしめた。他方、多くの宗内の未聞の人々は信じられない陰謀の存在に動揺した。

以来、宗門中枢は言を左右にして「C作戦」の存在を否定し、日顕本人も平成四年十一月二十九日、浄妙寺における大阪布教区の“親教”において、

「宗門に『C作戦』などというものがあって、創価学会を切るということ、いわゆる破門に処するなどという考え方は全くなかったのであります」(『大日蓮』平成五年一月号)

と、公式に「C作戦」の存在を否定。かつ、平成五年一月六日にも本山大講堂における末寺住職・寺族初登山会において、

「今、ここではっきり言っておきます。『C作戦』などということを、考えたこともなければ、実行したこともありません。このことを皆さん方、はっきり覚えておいてください」(『大日蓮』平成五年二月号)

と明言した。

だが、あにはからんや、「河辺メモ」により日顕らが「C作戦」を謀議していた事実は裏づけられた。日顕ら宗門中枢は、長期にわたり宗内の僧俗を欺いてきたのであった。そして、この欺きに同調し、末寺住職が法華講幹部を騙し、さらに法華講幹部は法華講員に日顕らのついたウソを信じ込ませた。

おまけに日顕宗の機関誌・紙である『大日蓮』や『大白法』『慧妙』まで、日顕のウソの上にウソを重ね、「C作戦」の存在を否定。それだけではない。あろうことか、「C作戦」によって謀略の対象とされた池田名誉会長や創価学会に対し、誹謗中傷を幾度となくおこない、結果的に「C作戦」を幇助してきたのである。

平成二年以来、宗史に残る大混乱がつづいているが、その大混乱は日顕一人に源を発し、「C作戦」にはじまるものである。日顕の話すところは“魔の説”であり、衆生の幸せのために説かれた「法華経」とは相反するところに存在する大妄語である。この日顕の“魔の説”は、衆生をして“正見”を失わせ“正信”を奪い不幸にするものである。もちろん、南無妙法蓮華経に敵対するものである。

日顕は宗内の僧俗に“魔の法”を授け、日顕宗の出家在家の輩はその日顕の“魔の法”を受け、狂いに狂っているのである。

そのような師弟の音声は、まさに野干の遠吠えのようなもの。日顕が虚に吠えれば、つき従う総監・藤本などが口裏を合わせ虚に吠え、『大日蓮』『大白法』『慧妙』も狂ったように吠える。それに紛動された出家在家の狂騒が、そこかしこでつづく。日顕ら師弟は狂犬のように吠えたてる。見苦しいありさまである。

だが、この日顕らの狂えるさまも、仏子らの「追撃」の前で沈黙せざるを得ないときがきたようだ。あたかも百獣の王の獅子吼が、四方の獣を沈黙させるように……。

創価学会の池田名誉会長が指導するところは、日蓮大聖人の教法どおり、正義を立て悪をくじき、人々が幸せになる方法を教え、南無妙法蓮華経に導く。池田名誉会長の指導に触れ歓喜した世界一千万人の仏子は、日蓮大聖人の仏法を世界に宣説し、朝な夕な南無妙法蓮華経と唱える。

七百年前、日蓮大聖人にはじまった、題目の高らかな響きは、創価学会三代の会長により正しく世界に弘められ、現代に蘇った。創価学会三代の会長に連なる仏子が唱題することは、御本仏日蓮大聖人と共々に唱題することである。その生命の連帯の輪が世界に広がり、仏法史上、未曾有の和合僧団が作られた。SGI、創価学会とは、思えば不思議な団体である。ということは、日蓮大聖人に直結する創価学会の師弟が不思議な縁により結ばれているということでもある。しかも末法において、かくなる師弟が存在し、南無妙法蓮華経と唱える和合僧団が出現することは仏説でもあった。

「第五作師子吼の事
御義口伝に云く師子吼とは仏の説なり説法とは法華別しては南無妙法蓮華経なり、師とは師匠授くる所の妙法子とは弟子受くる所の妙法・吼とは師弟共に唱うる所の音声なり作とはおこすと読むなり、末法にして南無妙法蓮華経を作すなり」(御義口伝)

大いに師子吼をなし、極悪・日顕ら一党を追撃しよう。

1994年1月

家族友人葬のパイオニア報恩社