報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

二十五章 物怪もっけ自縛じばく

地涌オリジナル風ロゴ

第835号

発行日:1995年2月11日
発行者:日蓮正宗自由通信同盟
創刊日:1991年1月1日

『フライデー』が掲載した三枚の領収書は豪邸購入にあたり
大石寺が六億一千百五十万円の支払いをしたことを裏づける

日顕夫婦が大石寺会計から極秘のうちに金を支出し、東京・世田谷区中町に豪邸を購入していた。しかも、大石寺の名前が表に出ないよう不動産会社をダミーとし、法律を破ってまで、その豪邸を手に入れていた。

公益性のある宗教法人としては、けっしてしてはならないことを、日顕夫婦は私利私欲のためにおこなったのである。

『東京新聞』(平成七年二月九日付)は、この日顕夫婦の豪邸取得について国土法に違反している疑いがあるとして、世田谷区都市整備部が事情聴取していることを報道したが、今度は『フライデー』(平成七年二月二十四日号)が、大石寺の違法な不動産購入を裏づける決定的な証拠ともいえる領収書三枚の写真まで掲載して、同豪邸問題を報じている。

この三枚の領収書は、不動産取得のダミーとなったある企業が大石寺宛に出したもので、額面は、それぞれ一億二千万円(平成五年十二月十四日付)、四億六千万円(平成五年十二月二十日付)、三千百五十万円(平成六年三月十五日付)であることが、『フライデー』掲載の写真により確認される。

日顕は、大石寺会計から平成五年十二月に一億二千万円と四億六千万円の合計五億八千万円もの支払いをしていながら、今日まで宗内には豪邸購入のことを黙っていたのである。

それだけでなく、違法な購入が社会問題となった現在においても、まだ日顕らはウソをつき、シラを切りとおすつもりでいるようだ。

『フライデー』編集部の取材に対して大石寺内事部は、

「不動産の購入など聞いたこともありません。ノーコメントです」

と答えている。

日顕は、都合が悪いといつも全面否認する。これは「日顕シアトル買春事件」と同様の対応である。日顕は、当座をごまかせればよいと考え、先々のことを思慮せず、最悪の対応を選択してしまうのである。

〈参考資料〉

『フライデー』(平成七年二月二十四日号)

東京・世田谷区内の一等地に、ご覧のような白亜の豪邸がそびえ立っている。敷地868㎡、床面積307㎡。都心とは思えぬ絶景を背後に控えた鉄筋コンクリート2階建ての住宅は、広い屋敷の多いこのあたりでもひときわ目をひく。この大豪邸の「事実上の所有者」が、創価学会と激しい宗門争いを繰り広げている日蓮正宗総本山「大石寺」で、しかも、そこに住むのは、阿部日顕法主(72)ではないかといわれているのだ。

そもそもの発端は、昨年6月、東京都に届いた匿名の陳情書。それによると、くだんの不動産は、一昨年12月に、前の所有者から都内の不動産会社に売買されたとして、東京都に届けが出されている。が、「本当の所有者は大石寺で、国土法違反の疑いがある」というのである。これを受けて東京都都市計画局では、事実確認を行ったものの、

「不動産会社から、『民間の通常の取引である』との回答しか得られず、当方としても、それ以上の実態はわかりませんでした」(同局)

現在、表札や不動産登記には、大石寺や日顕法主の名前はどこにもない。が、本誌は、大石寺が実際の取引者であり、後にくだんの土地・建物が大石寺に「譲渡」されることを示す領収書のコピーを入手した。それが下の写真の3枚の領収書で、さきの不動産会社が大石寺にあてて発行したものである。

3枚は一昨年12月から去年3月にかけて発行されており、それぞれの金額を合計すると、6億1千150万円になる。発行元の不動産会社にコピーを示すと、領収書が本物であることを認めた上で、こう説明した。

「大石寺から融資を受けて、その資金でこの土地・建物を購入しました。売買価格は6億3千万円で、改修費用が1億4千万円。手数料を加えると8億円以上になります」

写真の領収書には、「別紙業務協定書に基づく金銭消費貸借契約書」とある。その「業務協定書」には、この取引は、この土地・建物の前の所有者と、購入した不動産業者、それに大石寺の3者が結んだもので、大石寺から融資を受けた不動産業者がその資金で所有権を取得した上で、「後に大石寺に譲渡する」と、明確に書かれているという。

ある大手の不動産業者が解説する。

「いわゆる“覆面買い”ですね。これは本来の購入者が売買契約をせず、第三者への融資を通して不動産を手に入れるやり方です。そうすることによって、契約時には国土法の届け出の必要もないし、登記にも名前が出ない。どうしても名前を出したくない買い主が使う不動産購入の常套手段です」

それではなぜ、大石寺側は、土地と建物を購入するのに、堂々と売買契約を結ばず、こんなこみいった手続きを取ったのだろうか。実は、この家が、宗教活動に使うためのものではなく、日顕法主が住むための個人用の住宅だからではないのか。

「今回、問題の家の購入に奔走したのは、日顕法主の側近中の側近といわれる理事の一人です。また家の作りも、宗教施設というよりは個人宅的要素が強いといわれている。日顕法主が、“東京別宅”か“隠居所”として使おうとしたことは間違いありませんね」(日蓮正宗関係者)

4年前にも、日顕法主は東京・目黒に20億円の豪邸を買おうとしており、それが「公私混同」「贅沢ぶり」等と報じられ、結局計画が頓挫したと伝えられたことがあった。その失敗を教訓に、極秘裏に進めるつもりだったのだろうか。これに対し、大石寺側は、「不動産の購入など聞いたこともありません。ノーコメントです」(内事部)と、取り合わない。

建築関係者によれば、豪邸は改装工事も終わり、新築同然に生まれ変わり、いつでも入居できる状態という。宗門戦争のなかで、常に攻撃の的となる日顕法主、穏やかな“隠居生活”を送るには、まだまだ時間がかかりそうだ。

家族友人葬のパイオニア報恩社