報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

二十章 霊山りょうぜん未散みさん

地涌オリジナル風ロゴ

第705号

発行日:1993年10月21日
発行者:日蓮正宗自由通信同盟
創刊日:1991年1月1日

山崎正友の正体は“嘘”と“カラ手形”を得意とする詐欺師だ
この比類なき犯罪者が口先で国政をかき回している異常さ

詐欺師ほど“正義の仮面”をつけたがる。きわめつけの悪党にして、ウソ八百を得意ワザとする詐欺師・山崎正友が、仮出獄の身でありながら“正義の士”を装い、創価学会を攻撃している。

かつて、昭和五十五年に山崎が創価学会を恐喝したとき、またその後、恐喝の事実を隠蔽するために、山崎は“正義の仮面”をもって犯罪者の正体を隠し、マスコミを利用して創価学会を攻撃した。このときと同じ状況が、現在もつくり出されている。

それを容易にしているのは、比較第一党の自民党が野党に甘んじているという特異な政治状況である。今後とも、公明党の支援団体である創価学会に、手カセ足カセをはめようという動きが、国会やマスコミで活発になってくることが予想される。

創価学会の凋落を望む人々の眼には、犯罪者であれ山崎正友は頼りになる人物に映るようである。

だが残念ながら、山崎正友は詐欺師である。山崎は、ウソをついて人をだまし、自分の意のままに動かそうとする。山崎の巧みな弁舌は、すべて怨念に基づいた悪の心から発せられている。山崎の正体を見抜くには、決して弁舌をもって計るべきではない。彼の行動をもって判断すべきである。

山崎正友は、かつて㈱シーホースという冷凍食品会社を経営していた。㈱シーホースは、昭和五十五年四月に約四十数億円の負債をかかえて倒産した。

負債四十数億円というと、それなりの事業をしていたように聞こえるが、さしたる営業実績のないまま山崎正友の放漫経営が原因で、最後はカラ手形を乱発して倒産したのである。

この㈱シーホースの債務を処理するために、山崎は創価学会を恐喝したのだが、この冷凍食品会社の倒産にあたって山崎の乱発したカラ手形の数量はすさまじいものがあった。

山崎は、いまでこそ創価学会を恐喝した犯罪者として名が通っているが、一方では重大な経済事犯としての顔を持っていた。不渡りとなることがわかっている手形を乱発していたのだ。

このことについては、昭和五十六年に出版され山崎正友の悪を告発した『大陰謀』(北林芳典著)に詳しいので、少々長くなるが以下に引用する。

「売り手形の乱発も、他に例を見ない。シーホースの『支払手形記入帳』を見ると、受取先、支払先の欄に、マルにBの符号がある。これが売り手形だ。マルBの符号は、山崎を指す。これは山崎が部下からボス(BOSS)と呼ばれていたことによる。

さて、このマルにBの符号のついた手形を、『支払手形記入帳』より振出し日別に整理しなおしたのが、『売り手形一覧』である。山崎は、この乱発した売り手形を、暴力団関係の金融ブローカーに額面のほぼ一割で売っている。

売り手形一覧〈北林芳典著『邪智顛倒』(1994年刊)より〉売り手形一覧〈北林芳典著『邪智顛倒』(1994年刊)より〉売り手形一覧〈北林芳典著『邪智顛倒』(1994年刊)より〉

売り手形一覧〈北林芳典著『邪智顛倒』(1994年刊)より〉

十億円余の手形が一億円で売られているのだ。もちろんこれらの手形の決済日が来ても、シーホースが決済できないことは目に見えている。

ことわるまでもないが、これは五十五年二月七日以降の確認分だけである。それ以外にも白地のまま金融ブローカーに手渡した手形がある。

ここに次のような『預り証』の写しがある。

『預り証』の写し

『預り証』の写し

手形ブローカーは、この預かった小切手や手形に勝手に金額や日付を入れて、世の中に出回らせるのだ。このような手形をつかまされて泣く人びとのあることを考えたことがあるのだろうか。まさに狂気の所業といわざるをえない。

『売り手形一覧』で表記された融手の額を、日付け別に見ると、なんといっても融手乱発の白眉は、三月二十七日の一億四千百万円、翌二十八日の二億三千百三十二万円、数日後の三十一日の一億一千五百五十万円だろう。二十九日は土曜、三十日は日曜日だから、土、日曜日をはさんで三日で合計約五億八十二万円の売り手形を出したことになる。

そして、第一回の不渡り手形を出す前日、四月十四日、断末魔のあがきをする。この一日だけで、二十五葉一億千五百万円の売り手形を切った。シーホースが、息を引き取る前に未練がましく深呼吸をしたようなものだ。

なお確認されたシーホースの融手の総額は、十億九千百八十五万八千三百六十九円となる。この所業、わずか二ケ月と一週間の間に行なわれた。ある元社員は、

『毎日新しい手形帳を二冊、三冊ともらいに行くので、銀行から、おたくは何をしているんですか、と注意された』

という。また別の社員は、

『シーホース発行の売り手形の総額は、十三億円にのぼるだろう。それ以外にも山崎は、七つの関連会社の手形帳とハンコを自由に使える状態だった』

と語っている。

山崎の利用した手形は、関連会社のものだけではない。㈱マルヤスのようなケースもある。この会社の場合は、つぶれそうになっているところを助けてやり、相手が恩に着たところで、うまく手形帳と印鑑をとりあげ、ここでも乱発した。

当時、山崎はシーホースではいつも白い手袋をしていた。いざ事件になったとき、書類などから自分の指紋が検出されないためだ。

それを見て、警察官あがりの社員は、

『先生は民事ばかりをやっていて、刑事は知らないと見える。刑事では、手袋をしていたということは、逆に犯意があったという有力な状況証拠になる』

といって笑っていたという。

それにしても、借金に追われ、白い手袋をして目を血走らせている山崎を想像すると、あわれにもなる。これがマスコミなどで『正義の内部告発者』といわれた男の本当の姿だ。

これだけの融手の乱発は、山崎一人でできるものではない。当然それを手助けするかたちで、専門の仕事師が存在していた。暴力団菅谷組系大島組の幹部・塚本貴胤である。塚本は、シーホースの関連会社である東海総業内に机を与えられていた。

社内情報によれば、山崎は、この金融ブローカーに額面総額十二億円の手形を、十分の一で割ることを許可し、それを委任した。したがって先の売り手形のほとんどは、塚本の手を通過したようだ。

これらの不良手形は、創価学会が山崎を告訴し、警察の捜査がはじまってから動かなくなった。現在、山崎の発行した不良手形の多くは、市場に出回ることなく、暴力団S組やS連合系I会傘下の金融ブローカーの下に止まっている。

学会の五十五年六月はじめの警視庁への告訴の意志伝達は、社会的に見ても、山崎の悪を封ずるためのタイムリミットだった」(『大陰謀』より引用)

こうした経済的な一大犯罪を平気でおこなえるのが山崎正友の本性なのである。

山崎は恐喝裁判の法廷において、㈱シーホースは創価学会系の冷凍食品会社で、創価学会側から受け取った三億円は資金援助のために、当然もらうべくしてもらったものであり、決して恐喝した金ではないと主張した。

もちろん、それは事実に反する。

昭和六十年三月二十六日、東京地裁において恐喝事件の判決が下されたが、山崎の事実に反する答弁は裁判長より虚構の申し立てであると見抜かれ、判決文で山崎の主張は全面的にしりぞけられた。

判決文には、次のように明記されている。

「被告人が自ら冷凍食品事業に乗り出す意図をもって、自らの判断と責任で行ったものであり、シーホースも、被告人個人が右のような意図の下に経営していた会社であって、被告人が学会の委任を受け、学会のために管理していたものではないと認められる」

このように、判決文で虚偽の言い分をことごとくしりぞけられた山崎が、いま怨念の固まりとなって仮出獄し、創価学会に復讐しようとしている。この改悛なき犯罪者の“お礼参り”に手を貸しているのが、一部のマスコミである。

現在、マスコミに登場している山崎は、神崎武法郵政大臣が宮本邸盗聴事件の後始末に関与していたかのように「証言」している。十三億円にものぼるカラ手形を平然と乱発できる山崎が、まともな「証言」をしていると騒ぐマスコミは異常である。

詐欺師の正体は、言葉ではなくその行動の結末を見れば判然とする。山崎正友は、“三百代言”と“カラ手形”を得意とする詐欺師なのである。

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