報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

八章 仏子ぶっし哄笑こうしょう

地涌オリジナル風ロゴ

第305号

発行日:1991年11月1日
発行者:日蓮正宗自由通信同盟
創刊日:1991年1月1日

批判精神満点の高輪俺良の詠める歌を採取「雨と来て/
雨と帰れる/あの方は/どこの坊主と/達磨言うなり」

創価学会員による宗門(日顕一派)批判は、宗教改革としての質を進化させている。その一方で、民衆の旺盛な批判精神は日々、活力を増している。替え歌あり、戯れ歌あり、落首あり、いまや民衆による宗門(日顕一派)批判は百花繚乱の観がある。

世界史をたどれば、専制君主が倒れ、民衆を睥睨していた貴族が処断される、いくつかの場面を見ることができる。しかし、残念ながら、日本ではそのような歴史的な場面がない。日本は、いまだに民衆による下からの革命の経験がないのだ。

近代日本の幕開けとなった明治維新は、幕府権力と朝廷権力の交替にすぎなかった。現在の日本社会の繁栄は、世界屈指の民主的な平和憲法によって保障されているが、それすらも日本の敗戦によって占領軍から与えられたものである。民衆によって勝ち取られたものではない。

いま進行している、創価学会員による宗門の権威・権力に対する根源的な問い返しと、それに基づく批判は、日本史始まって以来、未曾有の民衆革命の質を持つといっていい。しかも、合法的な枠内で、不服従を基調にした秩序だった大衆運動である。

その大衆運動は、葬儀のような、日本文化に根ざした人間の営みの根底から、すべてを再構築しようとしている。

それは、宗教を宗教貴族の専有から解き放つ戦いであり、民衆一人ひとりの心に真実の信仰を打ち立てる戦いでもある。宗教貴族にからめ取られることを拒否する民衆の魂の解放運動である。この運動は、もとより宗祖である日蓮大聖人のご精神にかなうものだ。

民衆の心が欲する方向に運動が進むとき、おのずと民衆の心は躍動する。民衆はあらゆる表現をもって、権威・権力をこきおろし、揶揄し、批判し、打ち砕く。落首、戯れ歌もその一つだろうか。

『地涌』編集部は、歌人(?)「高輪俺良」の詠める歌を採取した。以下、その一部を紹介する。なお、ほんの数カ所、筆者が表現を手直しさせていただいたことを、あらかじめお断りしておく。

 

〈民衆の歌〉 その一 高輪俺良

遺文は 遠の昔に 忘れ去り

貫首に従わぬ 奴は謗法

次々と 先師のご指南 くつがえし

吾本仏とは いかなる御書か

雨と来て 雨と帰れる あの方は

どこの坊主と 達磨言うなり

御供養は 有り難きもの 夫婦して

墓を建てたり 服を買ったり

邪宗墓 悪縁に引かれると 指南して

手本まで見せる 念の入れ方

一宗を 統べるご指南 立っておれ

   頭からかませ おい解ったかい

 

〈民衆の歌〉 その二

福島は 法主にとって 良し悪し

源次郎あり 邪宗墓あり

波木井はえらい 波木井はえらいと 文証に

無い説をとく 歯切れの悪さよ

聖僧は 開祖の遺文 その末は

肉食妻帯 勝手たるべし

檀那切り 邪宗墓建て C作戦

平左衛門の 狂う態見よ

本山や 坊主はたらふく 喰っている

汝ら売店 飢えて死ねとさ

 

〈民衆の歌〉 その三

大化城 富士学林も 消え果てて

日顕好みの 京風の庭

御供養と 塔婆で暮らす よい坊主

庫裡も車も 栄養剤も

稼ぐのは 今をおいては 無きぞかし

削り塔婆で 馬でも鹿でも

日顕さん 宗開両祖に いかにして

目見えるつもり 時は近いに

物はとぶ 湯は瞬間に たぎりたつ

仕えし人の 心冷えびえ

坊さんを 瞞せば七代 たたるという

信者を瞞せば 幾代たたるか

寺も金も 今や充分に ととのった

うるさい学会 目通りかなわぬ

 

〈民衆の歌〉 その四

面白い コントが 55号なら

法盗人は 67号

葬式の 御供養欲しさに 友人葬

けちを付けつつ 地団駄ふみつつ

11・16 それが駄目なら 正本堂

さらに駄目なら 設立三条件

戒名は 御供養次第で 院もつく

男なりとも 信女のお粗末

 

〈民衆の歌〉 その五

数珠に袈裟 本尊さえも 忘れ来て

経違えても 受け取る御供養

呼べばいばる 呼ばなきゃわめく 成仏の

障りになるは 宗門の僧

奥さんは 下着を洗う 暇もなし

昼はエステに 夜はお茶屋に

代金は これでと半紙に 包みたる

御供養袋の 新券の束

いかにして 磨くというなり 老醜を

信者の御供養 湯水と遣って

領収書 いらない証拠も 残さない

背任横領の 罪着たくない

 

〈民衆の歌〉 その六

監督は 67番の 草野球

やること成す事 エラーの連続

大伽藍 数々の寺 供養させ

御用は済んだ それC作戦

京都駅 法主総監の 夫人たち

買い物袋と ともにぐったり

七百年 宗内に潜む 謗法を

顕わしたるは その名も日顕

惜しいこと 目黒八雲の 豪邸は

ばれてあわてて 中止決定

理境坊 狐狸の棲家と、成り果てて

昔を今に なすよしもがな

 

〈民衆の歌〉 その七

昔なら 道理引っ込む 事あれど

民主の世には、無理は通らず

真心の 人もうらやむ 友人葬

坊主もいらず 金もかからず

歴代の 上人観念 する中で

六十七代 だけはふくまず

本山は 観光客を 招き入れ

チケット代わりに 渡す羊羹

有り難き 法主夫人の おさがりは

着なきゃ恐いし 着ても似合わず

独裁の 末路は哀れ 数々の

歴史にみらるる 民衆の確かさ

家族友人葬のパイオニア報恩社