「『地涌』精選」編者の擱筆
このたび、「『地涌』精選」を報恩社のウェブサイトに掲載するにあたり、真実の正法正義、さらには師たる人はいかなる人なのかについて、深く思索することができた。替え難い経験であった。
この経験が、私の人生において至上のものとなることは間違いない。
「ただ人をはばからず経文のままに法理を弘通せば、謗法の者多からん世には必ず三類の敵人有って命にも及ぶべしと見えたり。その仏法の違目を見ながら、我もせめず国主にも訴えずば、教えに背いて仏弟子にはあらずと説かれたり」(聖愚問答抄)
ことわるまでもないが、三類の敵人とは、「俗衆増上慢」「道門増上慢」「僣聖増上慢」の三つの増上慢を指す。
今後とも僣聖増上慢は、仏の説くままに法理を弘める私たちのそばにいる。誰が僣聖増上慢であるのか、あるいはないのか。そのことを日々の戦いの中で見据えていく必要がある。