第738号
発行日:1994年2月17日
発行者:日蓮正宗自由通信同盟
創刊日:1991年1月1日
新六万塔で一人一万円集めているが建設費用は約三千万円
全国法華講で一所帯一律三百五十円の供養をすれば充分だ
来る四月二十八日に新六万塔の「開眼法要」をすることになっているが、この新六万塔建立を名目にして、現在、法華講は全組織を挙げて供養を集めている。
割り当てられた供養の金額は一人あたり一万円。これを法華講支部単位で集め、四月一日から四月十日の間に指定された銀行口座に振り込む。この金は、「全国集計し、御法主上人猊下に御供養申し上げる」(平成六年二月一日付『大白法』より引用)ということだから、まさしく日顕の金となるのである。
しかし、ここで疑問がわくのが、新六万塔建立にそれだけの金がかかるのかということである。法華講員の実勢は五万所帯十一万人、そのうち年に一回でも宅御講などの会合に出ている者は五万人程度と、法華講連合会中枢では認識しているようだ。
ところが、指示として出している支部当たりの供養の目標額は、届け出ている法華講員の人数に一万円を掛けたものである。日顕や宗務院にいい顔をしようと、水増しして講員数を届け出ている法華講支部は、そのぶんだけ他の者が補うということになる。
末寺住職が補うのが筋だが、末寺住職が自腹を切ることは習性上からも、まずありえない。いきおい、補填は法華講の支部幹部がすることになる。
もし、届け出の人数一人当たり一万円の供養を集めれば、いったいいくらの金が全国で集まるのか。答えはすぐに出る。およそ十数億円の金が集まることになるのだ。
ところで、高さ六メートルの新六万塔建設費用は、およそいくらぐらいだろうか。石材屋に確認したところ、「すべてに最高級の石を使ったとしても、三千万円程度でしょう。安くしようとすれば、どうにでも方法はあります」との答えが返ってきた。
そうであるならば、法華講員のうち、年一回でも宅御講などに顔を出す者(五万人程度)が一律一人六百円も出せば、新六万塔を建立することができることになる。見方を変えて、法華講の届け出数を基礎にしても、全国八万五千六百八十四所帯が届け出数なのだから、一所帯約三百五十円を集めれば充分だ。
しかし、現実には、法華講連合会幹部らは、法華講員一人一万円の供養を目標としている。そうなると、集めようとしている金は十億円を超える。三千万円の塔を建てる名目で、十億円以上の供養を集めようとは、いったいいかなる魂胆があるのだろうか。
日顕は、自分の見栄だけで広布坊建設を強行し、広布坊建設資金について、
「総本山だけでお造りさせていただく、という考え方でありましたから、とくに、それについての費用の件は、皆さん方にご相談はいたしませんでした。これからもするつもりはありません」(平成五年四月二十三日 全国宗務支院長会議)
とまで言っておきながら、新六万塔を口実に広布坊の建設資金を集めているのである。しかも他方では、東京・世田谷区に日顕の女房・政子が下見をし豪邸購入をおこなった。ことごとく日顕のみが潤う構造で、事が運んでいるのだ。その太鼓持ちをしているのが、法華講連合会委員長の柳沢喜惣次である。
三千万円の塔を建てるのに、十億円以上の供養を集めるよう号令しながら、感謝する気配もない。日顕は冷酷にして貪欲な男である。貪れば貪るほどに、欲は倍加していくものらしい。