報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

二十七章 師弟してい倶生ぐしょう

単行本「『地涌』からの通信(8)」おわりに

日顕は、怒鳴り声をあげて
創価学会の組織切り崩しを命じた

平成三年八月二十九日に総本山でおこなわれた全国教師指導会において、日顕上人は怒鳴り声をあげて「檀徒づくり」を命令した。この発言テープは、日本全国の創価学会組織に出回り、多くの創価学会員がそれぞれ自分の耳で日顕上人の狂える様を確認した。

この日顕上人の発言が、本紙『地涌』(第248号)に再現されていたとおりであったことから、改めて本紙報道の正確さを読者の方々は認識されたようだった。

日顕の発言テープを聞きながら、本紙報道の発言語録を目で追い、「やっぱり『地涌』に書いてあることは本当だ!」と率直に驚嘆の声をあげていた人もいた。

この日顕の発言テープは、日蓮正宗僧俗を衝撃波として襲った。信徒一人ひとりの幸福を願うべき法主は、信心がこわれようとどうなろうとかまわないから檀徒をつくれと命令するのだから、日顕上人の聖職者としての仮面が、大衆的レベルで剥がされ、その魔性もまた大衆に確認されることとなった。この8・29テープは、日蓮正宗と創価学会の相剋において、大変に際立った役割を演じた。

だが、この衝撃波も、その後につづく大衝撃波の予兆にすぎなかった。日蓮大聖人嫡々の法主の座にある日顕上人が、邪宗曹洞宗の白山寺(福島市所在)に先祖代々の墓を五百五十万円もかけて新しく建立した事実が、世の明るみに出たのだ(本紙第272号)。

とともに、日顕上人の思考、主張、行動が、実に邪宗である禅宗の思考、主張、行動に酷似していることが、改めて認識されることとなった。日蓮大聖人は、禅宗の本質を「禅天魔」であると破折されている。また、日蓮大聖人は禅坊主たちを「法滅の妖怪」と称されているが、これは日顕上人の本性を抉る言葉でもある。

日蓮大聖人曰く。

「行解既に勤めぬれば三障・四魔・紛然として競い起る」(種種御振舞御書)

この御金言どおり、広宣流布の急激な展開にともない、僣聖増上慢が競い起こったのだ。広宣流布は、正念場にさしかかっている。広宣流布がここまで進展してきたのは、創価学会の初代、二代、三代会長を結びつける不思議な師弟の絆による。師弟不二が創価学会の発展、団結、歓喜などの波動の源である。

もちろんのことながら、その師弟不二は日蓮大聖人の仏法によって裏づけられるものである。日淳上人が、「創価学会の出現は霊山会の約束による」と御指南されていることをもってしても、それはうなづけるのである。

創価学会出現の不思議、創価学会代々会長の師弟の不思議について、本紙第268号・269号に未熟ながら渾身の力をふりしぼって書いた。

『地涌』が何号までつづこうとも、この「創価学会の初代、二代、三代会長とつづく師弟の絆こそが、日蓮大聖人の仏法を世界に広宣流布していく波動の源だ」と題するこの文に勝るだけの内容を盛り込むことはできないと思っている。

ただし、未完のものである。同輩後進の方々が、より総合的に本質に踏み込まれ、論を完成されんことを祈るものである。

この「創価学会の初代、二代、三代会長とつづく師弟の絆こそが、日蓮大聖人の仏法を世界に広宣流布していく波動の源だ」は、戸田城聖第二代会長が、昭和二十七年に書かれた論文「七百年の意義」、講演「第三代会長を支えゆけ」などが骨子に据えられている。

昭和二十七年は立宗七百年である。

日蓮大聖人の仏法は、七百年の時の隔たりを越えて具現化したのだ。そこには、仏法における師弟不二の不思議が、たしかなものとして実在する。

「当に知るべし此の四菩薩折伏を現ずる時は賢王と成つて愚王を誡責し摂受を行ずる時は僧と成つて正法を弘持す」(観心本尊抄)

仏子らが勇んで魔を退治すべき時がきている。

1991年10月

家族友人葬のパイオニア報恩社