報恩社公式サイト③「地涌」精選

地涌選集

筆者 / 不破 優 

編者 / 北林芳典

二十七章 師弟してい倶生ぐしょう

単行本「『地涌』からの通信(1)」おわりに

仏意仏勅の創価学会の不思議を感じ
断固たる決意をもって法主批判をしている。

日蓮正宗中枢が創価学会の池田名誉会長を破門にし、創価学会を解体する計画を持っていることを知ったときには唖然とした。権威、権力をもって強権を発動し信徒組織を切り崩そうというのである。

日蓮大聖人の仏法を金科玉条として、このような暴挙を通そうというのであるから、まさに破仏法のそしりをまぬかれることはできない。まして、その行為の発する源は、単に僧侶たちの権威を保ちたいという一心にあるのだ。

日蓮大聖人が末法にご出現された目的は、大衆の済度にある。決して僧という特権階級を作るためではない。もっとつきつめた言い方をすれば、一閻浮提総与の大御本尊様は誰のために御図顕されたのかということだ。法主の権威のためなのか。決してそうではない。大衆のためである。

いま日蓮正宗の僧俗は、好むと好まざるとにかかわらず、僧侶と信徒のあり方、法主と大檀那のあり方、また自分という生命と御本尊様、師、広宣流布との関係、また和合僧とは何か、聖僧とは何か、理想の僧俗一致はどうあるべきか――などなどの大問題を、教学上の単なる知識としてではなく、自分の生き方のなかで解答を見いだしていかなければならない。

私にしても、安易な気持ちで法主批判をしているのではない。極限まで考えつめたうえで、断固たる決意を持っておこなっているのである。

私は仏意仏勅の団体である創価学会の不思議を感じている。この和合僧団を破壊しては、日蓮大聖人の御遺命の達成などできない。

世界広布を進めるにあたり、差別によってしかみずからの存在意義を示すことのできない、腐敗した宗門の意識は糾さなければならない。いずれは大きく大法弘通の障害となっておおいかぶさってくることは必定であった。となれば、今回の問題は世界広布の戦いにおいて、かならず通らねばならない道であったと理解されるのである。日蓮大聖人の仏法を権威、権力の枠にとどめず、広く大衆のものにしなければならない。

われら日蓮大聖人の弟子である『地涌』の仲間は、権威、権力をもってどんなに頭を押さえつけられようとも、信仰を根本にしてその抑圧の壁を突き破り、民衆凱歌のエネルギーを噴出させるのである。

その信仰に目覚めた大衆の力強い流れは、世界に向けて滔々と流れゆく。もう誰も押しとどめることはできないのだ。

御義口伝「涌出品一箇の大事」に云く。

「『経に四導師有りとは今四徳を表す上行は我を表し無辺行は常を表し浄行は浄を表し安立行は楽を表す、有る時には一人に此の四義を具す二死の表に出づるを上行と名け断常の際を踰ゆるを無辺行と称し五住の垢累を超ゆる故に浄行と名け道樹にして徳円かなり故に安立行と曰うなり』と今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱え奉る者は皆地涌の流類なり」 
1991年3月

家族友人葬のパイオニア報恩社